憧れのJリーガーが試合で走った距離と同じだけランニングし、達成できたらその選手にメッセージを送れる-。Jリーグが実施したあるコンテストで、そんなアプリ(システム)を開発できないかという提案が、最優秀賞に選ばれた。使用者の運動不足解消などが目的のこのアプリ。Jリーグは「大変興味深いアイデア」として、この提案をもとに事業展開できないか模索中だ。
Jリーグは今季、試合中の選手を追跡し、走行距離やスプリント回数などのデータを取得する「トラッキングシステム」を導入した。このデータをさらに有効活用できないかと、Jリーグがアイデアを募集。71件の応募があった中で、最優秀賞に選ばれたのがこのアプリだ。米村俊亮さん(27)が考案し、アプリ名は「サポラン」。
運動はしたいけどなかなか続かない-。そんな人がこのアプリの主な対象者だ。まず、自分のお気に入りのJリーガーを1人登録。その選手が前節に走った距離が、この1週間で走破する目標距離になる。フィールドプレーヤーはだいたい1試合に10キロ程度走行しており、1週間で分割して走れば決して難しい距離ではない。
そしてこの目標を達成すると、このアプリから選手に、「メタボ気味な自分ではありますが、○○選手に負けないよう、なんとか10キロを走りきりました」といったようなメッセージを送れる。そして、その選手から簡単なコメントが返ってくるという流れだ。
総走行距離に応じて景品がもらえたり、サポーター同士で「一緒に走ろう」といったコミュニケーションが取れたりする機能も盛り込む。提案者の米村さんは「目標を持った質の高いランニングができ、達成すれば選手との一体感も生まれるのでは」とPRしている。
Jリーグによると、ランニングの継続を促せるとともに、選手とサポーター間の交流、Jリーグの興味向上を目的とした点などが高く評価された。コンテストの審査員を務めたゲーム開発会社、コロプラの馬場功淳社長は「非常に完成度が高く、審査員全員が高い得点をつけた」と絶賛したという。
「サポラン」のアイデアをもとに、実際に事業展開できないか、Jリーグと米村さんが一緒になって構想を練っているという。運動不足解消と、好きな選手への愛のこもった応援-。そんな一石二鳥のアプリが実際に開発されるかもしれない。
産経新聞 1月3日(日)16時31分配信
http://www.sankei.com/sports/news/160103/spo1601030002-n1.html
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